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頭痛診療について

頭痛診療について

頭痛の患者さんが来院された時、緊急を要する頭痛なのか、お薬
を処方して様子を見るだけでよいのか、まず考えます。頭痛で怖い
のは、くも膜下出血や小脳出血や脳腫瘍などの脳神経外科的疾患で
す。これらは、頭痛全体を考えれば、非常に少ない頻度なのです。
病気の経過や、神経症状の有無などが大切で、神経内科医ならばあ
まり見落とすことはないと思います。札幌にはは脳CTやMRIを
備えた脳外科の病院や、脳検査に特化したクリニックなどもあるの
で、そのような所で検査をするのもいいと思います。

 頭痛の殆どは、脳外科的処置を要さない慢性頭痛です。慢性頭痛
には、大きく分けて筋緊張性頭痛と片頭痛があります。

 筋緊張性頭痛は、大雑把に言って肩こりに伴う頭痛です。肩~首
の筋肉は、頭の骨と繋がっていて、締め付けるような頭痛の元とな
ります。

 片頭痛は、典型的にはズキンズキンという拍動性の頭痛で、その
程度は強く日常作業ができないほどで、しばしば吐き気やメマイを
伴い、一側ないし両側の頭が痛くなります。キラキラする前兆が見
えたりすることもあります。光や音に過敏なことが多いです。

 筋緊張性頭痛には、NSAIDと呼ばれる鎮痛薬や、筋肉の緊張
をとる薬を処方します。ストレッチなども有効なことがあります。
ストレスが原因になっていることも多く、その場合は取り除くと改
善します。

 片頭痛にはトリプタン製剤を処方します。前兆症状がおわり、痛
みが始まったころに服用すると有効性があがります。片頭痛の人は、
赤ワインやチョコレート、ピーナッツ・アルコールなどで悪化する
ことがあり避けたほうがいいでしょう。

 この他頭痛には、三叉神経痛や目の病気に伴う頭痛、心因性の頭
痛、発熱に伴う頭痛などがあります。発熱に伴う頭痛はカゼの時な
どポピュラーな症状ですが、吐き気を伴う・後頭部の痛みなどの時
は髄膜炎を区別しなければなりません。神経内科医は、発熱+頭痛
の患者さんが来るとかならず横になっていただき頸部を前屈する診
察をしますが、髄膜炎の可能性をチェックしているのです。