HOME   >  病気と健康のお話①   >  めまい感(ぐるぐる・くるくる・ふわふわ・ふらふら)

めまい感(ぐるぐる・くるくる・ふわふわ・ふらふら)

めまい感(グルグル・クラクラ・ふわふわ・ふらふら)

めまい感は、非常に多い訴えです。耳鼻科的疾患や、脳外科的疾患をまず除外する必要がありますが、症状や経過から、あるていど診断をつけることができます。
 
 口の回りのシビレを伴うメマイは脳幹部の血管障害の可能性があり要注意です。回転性の激しいめまいはメニエール病を初めとする、耳性メマイの特徴ですが、脳幹部・小脳の血管障害もありえます。進行性に増悪傾向は脳幹部付近の腫瘍性病変を疑います(めったにありません。MRI検査で確認します)。一側耳鳴、耳閉感、難聴を伴う場合は、耳性の可能性が高いです。反復するものはメニエル、単発は突発性難聴。耳性めまいは耳鼻科の範疇です。実際、耳鼻科を標榜しているクリニックで、メマイを専門とする先生もいらっしいます。

 頭の位置の変化で、短時間激しいめまいは、良性発作性頭位めまい症と言って、耳性の代表です。あまり心配ないメマイなのですが、交通事故や転落などの2次的被害を受ける可能性があるので、危険な場所では、急に頭部の位置を動かすのは避けて、そっと動かすことです。

 メマイは眼振として捉えることができます。自覚を欠く眼振は脳幹や小脳の障害を疑います。常に一定方向の眼振は、内耳あるいは前庭神経の障害を疑います。注視方向の眼振は、脳幹・小脳などの障害を疑います。眼球運動制限を伴う眼振は脳幹部の障害を疑います。頭位変換回旋性眼振は、良性発作性頭位幻暈症を考えます。

 バランスも観察します。開眼状態では、内耳障害などの末梢性では立位安定、閉眼で不安定になります。中枢性では開眼状態でも不安定です。

 いろいろ書きましたが、実際は、脳外科でMRI検査をしても、耳鼻科を受診しても、何も原因がみつからないメマイのほうが圧倒的に多いのです。そのような人には、いわゆるメマイの薬を処方したり、メイロンの静脈注射に数回通っていただいて、たいてい軽減しています。
 
  最近、脳外科や耳鼻科や神経内科行っても、心配ありませんと言われ、困っている方が増えています(高齢者に多い)。そういう方の中に、首や背中の骨が曲がっている方が目立ちます。おそらく、頭の位置をまっすぐに保つために、脳が余計に働かなくてはならない状態で、安静ではなんともないのに、急に頭を動かしたりするとフラフラする、と感じられるようです。このような方は、睡眠を充分とることや、目の酷使を止めること、きつい衣服をさける、ゆっくり動くことを心がけるようにすると改善することがあります。

 この他、起立性低血圧とか、起立調節障害とか、徐脈性不整脈とか、慢性脳循環不全とか、椎骨脳底動脈循環不全とか、更年期障害とか、うつ病などでも、メマイ感を訴える人がいます。ふわふわする、とか、クラクラするという表現が多いです。それぞれ加療いたします。精密検査の必要なケースは適切な専門病院に紹介しております。